スペアタイヤブラケットとはジムニーのバックドアについているスペアタイヤを移動したり、ホイールを表向きにつけたりする為に純正品と交換するカスタムパーツです。
このスペアタイアブラケットが車検に通るのか、通らないのか、グレーとして許されているものなのか、完全にブラックなのか、違法であるとしたら堂々と道を走っていてなぜ取り締まられないのか、など、素人ではよくわからない大人の事情みたいなものが見え隠れするブラックボックス的なアイテムでした。
一応、車検に適応する範囲でカスタムしていきたいと考えているので、このスペアタイヤブラケットはよくわからないので保留という位置付けでした。
しかし、いつかリアバンパーなどを交換することになったらナンバープレートをバックドアのドアハンドル部分に移動して、そうなるとスペアタイヤも移動させなければいけないことになるし、ゴッツイMTやATタイヤを履かせた時にはホイールを表面に向けて背負いたいという願望はあるのです。
というわけで、よくわかってなかったこのブラックボックスを開けて見たのであります。
やっと謎が解けたのでここに公開します。
ジムニーに関してのスペアタイヤブラケットとスペアタイヤと車検の関係性
まずはJB64W新型ジムニーに関しての車検とスペアタイヤとブラケットの関係性を解説します。
JB74Wのシエラに関しては普通車登録ですので全長の制限が違いますので問題はありません。
軽自動車のジムニーは車の全長が軽自動車規格のギリギリになるように作られています。車内空間をできるだけ広く取れるようにギリギリを攻めているのです。
ですので、ブラケットに関わらず車検上、全長が伸びたと判断されると即アウトになってしまうのです。
そして車検上、ブラケットは全長に含まれます。
スペアタイヤを外したことがある方、もしくはスペアタイヤの真ん中についているキャップみたいなカバーを外したことがある方はわかるかと思いますが、スペアタイヤはブラケットから出ているボルトで留められています。
スペアタイヤをつける為のボルトなんですが、このボルトが起きて立ち上がってる状態だと車検上は全長が軽自動車規格を超えるのでアウトなんです。
じゃあどうやって検査を通して販売できているのかというと、タイヤをつけていない時はそのボルトが起きた状態ではなくペタンと寝る形になり軽自動車の規格におさまるというギミックでスズキはジムニーのブラケットを作って検査を通過しているのです。
ボルトが起きてるとか寝てるとかよくわからないという方はこちらの、ジムニーのカスタムパーツを手掛けているシルクロードさんのブログが写真付きでわかりやすいのでこちらで見てみてください。
(くそ〜実車さえあれば写真撮れるのに…)
このボルト跳ね上げ式の構造でギリギリの軽規格をクリアしているんですね。
けど、スペアタイヤついてたらボルトは起きてる状態だから厳密に言えば車検違反じゃない?
この画期的なギミックを知ったときに大変感動したわけですが、タイトルの通りスペアタイヤついてたらボルトは起き上がってるわけだからタイヤがついてたら違反なんじゃないの?って疑問が浮かんできたのです。
だってそうじゃないですか、いくらボルトが寝てたら車検通るって言ってもタイヤがついた状態で納車されるわけですからスズキさんは違法状態で売ってるってこと?って思ったわけです。
そう思ってたらつい先日のシーエルリンクさんのYouTube動画でこのスペアタイヤのことについて語られていてまた驚きの事実を知りました。
こちらの動画の2:30くらいから背面タイヤのことについて語られています。
ブラケットのバネの跳ね上げの構造も動画で紹介しているのでわかりやすいです。
タイヤついてたらボルトが起き上がってるのでいくらギミック凝ってても車検通らんやん!って思ったんですが、この動画でスズキが新規車検を通すときにはスペアタイヤを外して通しているということが分かったのです。
車検を通す為ということで納得はしたのですが、新たな疑問が湧いてきます。
製造販売しているメーカー自身がブラケットのギミックを駆使して車検だけはスペアタイヤを外して車検通ったらタイヤつけて購入者へ納車するのか?というところです。
超大手車メーカーのスズキ様がそんな姑息なチョロまかしをするのか?という疑問です。
車検違反の状態でも車検の時だけ適合するように外しちゃえば良いんだよ!っていう違法カスタム上等のならず者の論理をメーカーがするなんて…と落胆のような業界の黒い部分を垣間見たような気がしたのでした。
しかし、その考えは間違っていたことが分かったのですが、それは最後に。
スペアタイヤブラケットに関してはメーカーもやってるくらいだし違反したって車検の時にノーマルに戻せば良い物なんだ!
先ほどの動画を見て↑こんな結論に辿りついたのです。
確かに、スペアタイヤブラケットのパーツは老舗カスタムパーツ屋さんも含めどこでも売っています。
車検適合って書かれているアイテムもありますが、逆に書かれていないものは軽ジムニーにとってはほとんど車検不適合のものです。
こういった商品はたくさんあり、全然みんなつけてるからへーきへーきってアイテムなのか、取締りをうけたらすぐ違反になっちゃうのか全然わかりません。
SNSなどでもみんな背面タイヤを表向きにつけてかっこいい写真をアップしています。
そこのコメントで「このカスタムは違法だー!」なんて荒れている事は見たことありません。
某掲示板などでも、ジムニーであきらかに大きなタイヤを履いて車体からはみ出ているハミタイに関しては目くじらを立てて怒っている人は多くいます。確かにハミタイは単純に人や自転車などが接触したら大変危険です。
しかし、あの某掲示板ですらタイヤの表面を見せるブラケットが違反だーと騒がれている事はありません。
こちらは有名カスタムショップのハイブリッジファーストさんのブログでも
車検のときは外していくから、やっぱりホイールは表向きに装着したい。って方は、従来のスペアタイヤ移動ブラケットを使用してください。
とブログで堂々と書いています。
あ、やっぱり、ブラケットは車検上は厳密に言えばダメだけどグレーゾーンで認められているんだって思ったんです。
確かにハミタイは単純に危険なのに対し、スペアタイヤはノーマルの状態でも、表向きについてても、場所が移動しても、構造上危険になる事はないし、黙認なんだなって結論に至ったのです。
しかし、実はそうではなかったのです。
全てが腑に落ちたスペアタイヤは積載物という概念
ここが回収パートです。シックスセンスでいうところのラストシーン。
これまで語ってきた流れで、僕はスペアタイヤのブラケットはグレーゾーンなので何やってもOK!って結論になってましたが全てをひっくり返して納得させられる記事と出会ってしまいました。
それがこちらです。
またもシルクロードさんのブログです。
もうここで説明するよりわかりやすいのでしっかり読んでみてください。
読んでもらえましたか?
僕が悩んでた部分をこちらでもモヤモヤポイントとして解説してくれています。
1番のポイントは「スペアタイヤは積載物」というところですね。
「スズキは車検を通す為にタイヤを降ろしてズルをしている!!!」と思っていた自分が恥ずかしい!
ズルでもなんでもなく、スペアタイヤは積載物なので車検の時は外さないといけなかったんですね。そして外したらボルトが倒れて車検OKと。
スズキさんごめんなさい、バカな私をお許しください。
しかし、このスペアタイヤと全長と車検の関係性ってシルクロードさんのブログにもあるように、ほんとに一休さんのとんちレベルの話ですね。
こちらのシルクロードさんのスペアタイヤブラケット(厳密にいうとブラケットではなくブラケットについてる積載物)はこのとんちに対してさらにとんちでクリアするというカスタムアイテム!
シルクロードさんが好きになりました。
その商品がこちらです。
こうして全てが腑に落ちた今、やはり、スペアタイヤブラケットの車検適応として売られていないものは違法なんだということがわかりました。
いくらお咎め無しと言っても違法のカスタムをしていく事は、あくまで僕は気持ちの良い事ではないと思ってしまいます。
ですので、こうしてわからなければちゃんと調べて納得してカスタムしていきたいですし、車検の時は外せばOKって説明するカスタムショップよりも誠実に検査の説明をしてくれるショップで商品を買いたいなーと感じてしまいます。あくまで僕はです。
こんな事素人じゃ絶対わからない
今回はたまたまシルクロードさんのブログを見つけて長年の悩みが解決したわけですが、こんな細かい車検の都合(車検が国土交通省で積載物が警察庁とか行政の縦割りの都合とか)、ジムニー特有の都合なんて自動車検査ハンドブックなどを見て素人が調べたってわかるはずありません。
シルクロードさんの解説がなければ永遠にブラックボックスのままでした。
グレーパーツを売りたいカスタムメーカーはブラックボックスのままの方が都合がいいからでしょうか?
こんな言い方すると怒る関係者もいるかもしれませんが、グレーで後ろめたい気持ちで売るよりも、知恵を絞って堂々と売れる商品を作るなり、空論かもしれませんが検査の規定により作りたい商品が作れないのならカスタムショップ合同で協会や団体を作りこれまでのグレーな規定をクリアできるような新基準を行政へ提言するくらいの気概を持ってほしいくらいに思っちゃいます。
そっちのほうがユーザーにもショップにとっても未来は明るいですから。
今ではユーザー車検なども一般的になってきましたが、いまだにこういった車検に関しての基準もわかりづらいことが多く、行政の縦割りの都合や、検査官次第で結果が変わるなど、全然基準がオープンじゃないのはどうなんでしょう?(怒)
カスタムメーカーもいい商品を出してるにも関わらず、メディア広告がすごく下手でナイスな新商品なのに全然その情報が届いていなかったり、他業種に比べていまだに古臭いやり方でやってるなーと感じることがよくあります。
最後は上から目線みたい&愚痴ばっかりみたいになってしまいお気を害されたら申し訳ないのですが、批判したいのではなく問題提起なだけですよ。
【ナイスな新商品】や【ナイスな情報】が埋もれたままではもったいないので私も見つけ次第こうして発信してる次第であります。
またナイスな情報がありましたら紹介しますのでぜひまた見てもらえたら嬉しいです!
コメント
当局に確認しましたが、ブラケットにブラケットをボルト止めしてるので、
ブラケットを積載物とは見做せないとのこと
つまり違法商品です
コメントありがとうございます。
すごく興味深い内容です。
個人的に違法にならないカスタムをしていきたいと思っていますし、情報発信する側として間違えがないよう努めたいと思っていますので。
ショップの開発者の引用であれば間違いないものと認識していましたが、もしかしたらそれも疑う必要があるかもしれないのですね。
しかし、引用したショップの話だとブラケットにボルト止めしているタイヤが積載物なのでこのブラケットも同様にボルト止めなので同じように積載物として扱われるとあります。
タイヤは積載物としてみなされ、パーツとしてのブラケットは積載物として扱われない根拠がいまいちわかりません。
「当局が決めたこと」として根拠も何もないのかもしれませんが、個人的には少し腑に落ちないところがありますね。
当方でも調べてみたいと思います。
とても参考になる記事をありがとうございます。
それでも私の中では
スズキはスペアタイヤ背負って走ってる間は違法でも良いと言ってると解釈します。スペアタイヤを外した時にボルトが勝手に引っ込むか手で外すかのだけの気がします。
出っ張りが1mmであろうと10cmであろうと同じです。
逆に普通車であるエスクードはスペアタイヤレス(ブラケットを外す)ですと構造変更がいるとなってました。元々スペアタイヤ込みの全長で外すと3センチ以上のマイナスになるそうです。
やっぱこのモヤモヤは私の中では
解決しそうにありません(笑)
コメントありがとうございます。
この問題に関しては(他にも同じような問題ありますが…)、モヤモヤは解決しないですよね。笑
だって考え方によって矛盾が生じますからね。
ルールをたくさん作りすぎて、ルールとルールの間に説明できない隙間ができたのが、このスペアタイヤブラケット問題ですね。
ノーマルブラケットも表向きブラケットもタイヤついてたら保安上は同等とみなすという柔軟さはお役所仕事ではできないですからね~。同じやんの一言なんですけどね!笑